信仰対象
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御神像
鬼姫山三神 | |
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中央・花吹雪凜凜志乃大鬼姫神様 | |
左・遠吠猛牙突立大狗神様 | 右・夜鳴天空飛翔大鴉神様 |
主祭神について
お凜様は、子供たちの暮らしを守り、思春期少年や独身男性の心を癒し、地域社会の活性化を願う、ある意味最強の鬼神様です。
【基本的な事柄】
同人結社鬼姫狂団世界総本部の信仰対象は、勧善懲悪を司り、武州(現在の埼玉県・東京都・神奈川県の一部)に暮らす民を邪悪な妖賊から守護するために戦う童女姿の鬼神様です。
その御神名は「花吹雪凜凜志乃大鬼姫神様(はなふぶきりりしのおおおにひめのかみさま)」(真言はオン・オニコロヤー・ハナヒラ・リンリン・ソワカ)と申し上げます。
御神名の由来は定かではありませんが、江戸時代末期(1800年代頃)に描かれたとされる唯一の文献「鬼神童女物語絵巻」(作者不詳)によれば、人里に下りる際に名前がないと何かと困るため、とりあえず「花吹雪のお凜」と名乗っていたからというのが定説となっています。
そのため、親しくは「お凜様」とお呼び申し上げています。
お凜様は、ずるいことや汚いことが大嫌いで、虐げられて困っている者を見過ごすことができずに悪事に立ち向かう、義侠心の塊のような鬼神様です。
見た目こそ可愛らしい女の子の姿をしていますが、怒ると誰も手をつけられないほどの荒々しい気性を持っており、小柄で華奢な体躯からは考えられないような怪力無双の暴れん坊として伝えられています。
また、無類の博奕好きで、村の博徒を相手に勝負をして片っ端から負かしたと語られている一方で、音楽に優れてとても風流な笛を吹くとも言われており、底なしの食いしん坊とも、大酒飲みとも伝わっています。
ちなみに、お凜様は、広島弁や博多弁に近いけれども微妙に違う、「鬼子弁(おにごべん)」という雄々しさを感じる独特な方言を使うと言い伝えられています。
「わしゃあ~じゃ」「わしゃあ~するで」「わしゃあ~じゃけえ、~するで」などが基本的な一人称肯定文とされます。
鬼子弁の実際の使い方は、民富田智明が手掛ける空想霊武劇「鬼神童女遊侠伝」シリーズが参考となります。
【鎮座する場所】
お凜様がどこに住んでいて、何をして暮らしているのかは、伝承にはほとんど語られていません。
秩父の山の方から現れては、秩父の山の方へ消えていく、ということは文献にも残されていますが、それ以外はあまりにも謎が多く、はっきりしたことはわかっていません。
ただ、秩父のどこかにある「鬼姫山」というところにいると、あいまいな伝えられ方をしています。
その鬼姫山が現在地名のどこにあたるのかは定かではありません。
【身体や衣装の特徴】
頭に生えた立派な二本角が、お凜様が鬼神様だという最大の特徴です。
髪は明るめの栗色で、つやつやのさらさら。
人間における齢9歳~19歳(救済に通ず)くらいに見える童女姿であり、背丈は目測で4尺5寸9分(地獄に通ず)つまり139.09㎝ほどで、体重は謎、胴回りや手足は細く、胸は極めて平坦とされます。
背中には見事な「観音勢至菩薩に花吹雪」の神秘の刺青が彫られています。(現代では刺青があると温泉に入れないので、自由に消すことも可能)
また、お凜様が人里に下りるときは、一切諸兄の求めに応じて、5尺2寸7分つまり159.69㎝(極楽に通ず)程度の範囲で、自由自在に外見年齢や体格を変化させることができるともいわれています。
お凜様が童女姿をしているのは、子供から見て親しみを覚えやすくする意図があるようです。
本当の子供ではないため、29歳、39歳、49歳と様々な年代の婦女姿に変化することもできますが、普段は可愛らしさを優先して童女姿でいる以上、あくまでも本質は童女とされています。
服装は、三度笠に縞の道中合羽、袖なしの紅白装束で、晒に褌、巻手甲、巻脚絆、足袋に草鞋履きとされています。
紅白装束の紅色は熱き血潮を、白色は穢れなき清明心を示しており、袖がないのに真冬でも暖かいとされます。
三度笠と道中合羽は、秩父路を行く旅の渡世人を真似たものだそうです。
鬼姫山の霊玉で作られた色鮮やかな耳飾りと首飾りは「通常の3倍可愛く見える」効果があるとされます。
また、腰の左に大刀を一本差しにして、右に瓢箪水筒と短筒をぶら下げ、懐には竹笛と小刀を忍ばせているようです。
ちなみに、刀と筆の持ち手を除き、左利きと伝わっています。
【人知を超えた民衆救済力】
お凜様の霊妙不可思議な力は、代表的なものが3つあります。
1つ目は、腰に差している、どんなに固い巨木や巨岩でも一撃で両断してしまうという鬼姫山の霊鉄で鍛えた刀。
2つ目は、腰にぶら下げた瓢箪に入っている、どんなに酷い怪我や病気でも瞬時に治癒してしまうという鬼姫山の霊泉で作った酒。
3つ目は、懐に忍ばせている、どんなに傷ついた心でも瞬時に慰癒してしまうという鬼姫山の霊竹で作った笛。
この3つの力によって、民衆を妖賊から救済することができると信じられています。
【救済力の及ぶ範囲】
お凜様は、古くは室町時代末期(1500年代頃)から武州総鎮守として民衆に篤い崇敬を受けていますが、実は、武州一帯だけでなく、日本全域、果ては世界全域にも信仰が広がっていたともいわれています。
その理由は、お凜様の正義の心があまりにも壮大すぎるために、武州の民だけでなく世界のあらゆる民の平和も守りたいと考えているとされているからです。
秩父の山奥に住んでいながらも世界中の平和を守れるのは、鎮座地の鬼姫山本山から、要所に張り巡らせた鬼姫山支山を中継して、世界中の妖賊出没現場まで、どこへでも「瞬転移」という空間移動の秘術を使って飛んで行くことができるからです。
ただし、この瞬転移は神力の消費が激しいため、一回の事件につき一往復しかできないとされています。
お凜様にとって、あくまでも武州の平和を守るのが本来的な役目ですが、武州以外はどうでもよいという排他的救済観は持っていないとされています。
しかし、少なくとも八百万の神々の住む日本においては、地域ごとに郷土の有力な鎮守神が妖賊の監視を行っているため、神々の不文律として、その地域の鎮守神に筋を通すことなしには、お凜様単独では武州の外で勝手に妖賊退治はできないとも伝えられています。(ただし、差し迫った緊急の事件は除く)
【妖賊退治のための武力】
お凜様は武闘派の鬼神様なので、刀だけでなく、素手、短刀、薙刀、棒、槍、鎌、斧などのあらゆる近接格闘に精通しており、弓矢や鉄砲などの遠隔射撃や、石や爆弾の投擲も得意とされます。
これらの武術体系を総称して「鬼姫流演武術」と呼ばれています。
お凜様は、腰の刀と銀色の回転式拳銃、懐の短刀を平常装備として持ち歩いており、決戦時には朱塗りの薙刀や、突撃銃や、狙撃銃、散弾銃、機関銃、携帯式榴弾砲、手投爆弾を、鬼姫山の武器庫から空間転移により召喚するとされています。
しかし、これらの強大な武力は、邪悪な妖賊を退治するためだけに行使するものであり、無闇に暴力を振るうことはありません。
妖賊に魂を売り渡した悪人を殺さずに懲らしめるのは別として、人間を傷つけることは滅多にないのです。
これは、「人間同士の争いは人間同士で解決すべき。世俗の紛争に神々が出る幕はない」という世俗紛争不介入の御神意があるからです。
民族、地域、身分、宗教、思想、利害などの違いで紛争が起きたりするのは人間の勝手な都合によるものなので、人間の争いに神の救いを求めるのは筋違いというのが、お凜様を含む世界の八百万の神々の御神意なのです。
お凜様を含む神々の手が差し伸べられるのは、人間の力では太刀打ちできない、邪悪な妖賊妖獣に危害を加えられたときだけなのです。
人間による犯罪を裁くのは人間の世界での自治機能によるべきであり、治安維持はあくまでも人間の仕事であるとされています。
妖怪変化が姿を見せない現代社会に神々も隠れて姿を見せないのは、そういうことなのです。
【必殺の剣技】
お凜様は、妖賊を討ち倒すための必殺の剣技を体得しているとされています。
その剣技は、通り名にもなっている「花吹雪」であるとされ、居合の姿勢から走駆して抜刀と共に高く跳躍し、白刃に神力を込めて全力で斬り下ろし、妖賊を脳天から唐竹割にして血祭りにするという大技です。
妖賊から激しく血飛沫が舞い散る様を「花吹雪」と表現し、剣技としたと伝えられています。
この必殺剣技は大技なので隙が大きく、神力を激しく消耗するので、敵を仕留めるための最後の決着に使うものとされます。
花吹雪凜凜志乃大鬼姫神様という御神名の由来であるため、この剣技については、最も重要な伝承となっています。
【絶対に不可能な行為】
霊妙不可思議な御神力を持つ鬼神様であるお凜様であっても、どうしてもできないことが一つだけあります。
それは、死者を生き返らせることです。
生きてさえいれば、鬼姫山の霊泉で作った酒の力で傷病を治癒することができます。
けれども、死んでしまったら、もうお手上げなのです。
大いなる自然の摂理に抗うことはできないのです。
【不死身の肉体と唯一の急所】
お凜様は、人間であれば致命的になるような深い傷を負ったとしても生き続けることができる、不死身の体を持っていると伝わっています。
驚異的な身体再生能力があり、手足が切断されたり、胴体を串刺しにされたくらいでは、尋常でない苦痛こそあるものの、力尽きることはないそうです。
しかし、頭部を完全に切断されたり粉砕された場合は、さすがに一巻の終わりとされています。
【一本身と二分身】
お凜様は、お凜様自身を本身として、神力によって生成された二人の分身を呼び出すことができると伝わっています。
妖賊との戦いにおいて劣勢に立たされた時、分身を呼び出すことで戦力を補い、状況を打開するとされます。
しかし、分身の呼び出しは神力を消耗するため、決戦時のみに使い、しかも持続して30分とされています。
また、分身はあくまでも神力によって形成されたものであるため、お凜様自身と違って体格の調整はできず、常に童女姿のままであるとされています。
【鬼姫山の系譜】
お凜様は、秩父鬼姫山の三代目とされ、お凜様の前の時代には、初代の祖母神と二代目の母神がいらっしゃったそうです。
祖母神と母神についての詳細は史料がまったく現存せず、明らかにされていません。
しかし、伝承では、仏教伝来よりも早い古墳時代(500年頃)に、なんらかの理由で地獄から地上にやって来た獄卒鬼が鬼姫山初代ではないかと考えられています。
一説によると、極楽浄土の阿弥陀如来の導きにより、その脇侍である観世音菩薩と大勢至菩薩が一体となり、仮に地獄の極卒鬼の姿をして衆生救済に現れたのではないかともいわれています。
鬼姫山は一代が最低でも500年以上は続いていると考えられており、初代が鬼姫山に鎮座し武州総鎮守を名乗って台頭したのは奈良時代直前(700年頃)とされています。
奈良時代直前(700年頃)から平安時代中期(1000年頃)までが初代、平安時代中期(1000年頃)から室町時代末期(1500年頃)までが二代目、室町時代末期(1500年頃)から現代(2000年以降)に至るまでが三代目のお凜様の時代とされます。
お凜様の時代は現在進行中なので、この先どこまでなのかは定かではありません。
【一度だけの単為生殖】
鬼姫山三代は、完全女系かつ一代一子の鬼神様ですが、子を授かるためには、「子生みの儀式」を行う必要があるそうです。
この「子生みの儀式」は明らかにされていない秘儀中の秘儀とされますが、男を介さない完全な単為生殖であり、性的に無垢な純潔のまま子を授かることができるようです。
男と交わると穢れて神格がなくなり角が取れてしまうので、鬼の神力を駆使できなくなってしまうとされています。
神格をなくしてしまうと、一気に老化して命が尽きてしまうとされ、男と交わるのは禁忌とされ、発情することはないそうです。
「子生みの儀式」は誰にも見られてはならないものであるため、それを盗み見たり、想像して描いたりする者には祟りが起きるとされています。
また、お凜様が禁忌を破り男と交わる様子を想像して描いたりする者には、最大級の祟りが起きるものとされます。
【旺盛な少女性愛】
お凜様は単為生殖であり男には一切発情しないため、もちろん純潔を維持したままです。
とはいえ、神格を保つために純潔を守り抜く一方で、数百年もの間生きる以上は様々な肉体的欲求や性的好奇心も生じるため、お凜様は、穢れのない人間の少女との交わりを好むとされます。
お凜様は角の付け根が敏感で、ここをいじりまわすとすぐに「いけない気分」になってしまうと伝えられています。
また、お凜様には人間の少女を瞬時に魅了してしまう力があり、どんな女の子でも「身も心もとろけてしまう」とされています。
お凜様が人間の少女と交わる際は常に攻め側であり、刺激を与えることで間接的に性感が伝導し濁酒が射出される超自然的な張形を使用するとされ、かなり激しいそうです。
無論、その際にお凜様の分身が行為に活用されることは言うまでもありません。
百合っ気があり、純潔でありながら好色で床上手という、まさに聖俗兼ね備えた日本の神秘そのものなのです。
【善良な男性への親愛の情】
お凜様は、男に対して一切発情しませんが、生殖行動とは別に、善良な心を持つすべての男性に対して、容姿の美醜を問わず等しく親愛の情を持っており、好意的に接してくださるとされています。
お凜様は、相手の男性の年齢によって、姉であったり、妹であったり、娘であったりと立場を使い分け、大いなる萌力を発揮してくださるのです。
【夢の中での淫らな遊び】
お凜様は、男には一切発情しませんし、男との交わりを想像して描いたりすることも許されません。
しかし、善良な心を持つ男性に限り、夢の中においてのみ、あんなことやこんなことなど、結合を除いた様々な淫らな遊びに誘ってくださるとされています。
夢の中においてさえ、お凜様と交わることは許されませんが、前述の超自然的な張形を用いることによって、間接的に結合の絶頂に達することができるそうです。
その絶頂は、悟りにも通じる境地であると伝わっています。
無論、その際にお凜様の分身が行為に活用されることは言うまでもありません。
【乗り物としての霊騎鳥獣】
お凜様は、専用の乗り物として「疾風号」という名の霊騎鳥獣(霊的な騎乗用の鳥獣)を操ると伝わっています。
疾風号は、普段は純白の馬の姿をしており、名の通り風を切るように速く大地を駆けることができ、追いつけないものはないとされ、妖賊との追撃戦のときに鬼姫山から随時召喚されます。
疾風号は霊的な動物であるため、霊妙不可思議な力によって形態変化するともいわれており、地上では白馬や白牛の姿をしていますが、水上では白鯆の姿となり、空中では巨大な白鷺の姿に変化できるようです。
また、機械文明時代における世を忍ぶ仮の姿として車輛(二輪駆動車・四輪駆動車)、船舶、航空機に変化することができるそうです。
疾風号は非常に賢く帰巣本能があるため、お凜様が乗り捨てて役目を解けば自らの判断で迷わず鬼姫山に帰っていくとされ、乗り物としてかなり便利であると伝わっています。
疾風号は霊的な動物ですが神様ではないので、真の姿は人身ではなく鳥獣身であり、人語を話すこともできません。
陸上戦用
白馬之姿 |
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陸上戦用
白牛之姿 |
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水上戦用
白鯆之姿 |
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空中戦用
白鷺之姿 |
眷属神について
お凜様には、山狗(やまいぬ)の神様と山鴉(やまからす)の神様が、頼もしいご眷属として付き従っています。
【山狗の神様】
山狗の神様は、「遠吠猛牙突立大狗神様(とおぼえのたけききばつきたてるおおいぬのかみさま)」(真言はオン・ワンコロヤー・キバキバ・ソワカ)と申し上げます。
文献によれば、「遠吠えの牙吉」という名乗りを使っていたことが神名の由来とされています。
そのため、親しくは「牙吉さん」とお呼び申し上げています。
牙吉さんはどこにでもいるイヌと同じ姿をしていますが、人語を自在に操れるそうです。
また、とても鼻が利き、妖賊の薄汚い臭いを嗅ぎ分ける力に長けているとされます。
戦うときは、鋭い牙と前足の爪が武器となります。
牙吉さんの真の姿は獣頭人身であり、獣身でいるのは、お凜様の言いつけによるものだそうです。
その理由は、「可愛いほうがいいから」というだけのようです。
ただし、獣身でいることにより、戦闘力は相当に制限されているようです。
獣頭人身になって戦う時は、手技を中心にした突進系の格闘を得意とします。
牙吉さんの言葉は「おいらは~だぜ」「おいらは~するぜ」という話し方とされています。
牙吉さんは疾風号のような乗り物ではないので、巨大化してお凜様を背中に乗せることはできませんし、車輛や船舶や航空機に変化もできません。
ただし、お凜様との同乗であれば、疾風号には乗れます。
【山鴉の神様】
山鴉の神様は、「夜鳴天空飛翔大鴉神様(よなきのあまつそらとびかけるおおからすのかみさま)」(真言はオン・カラコロヤー・トビトビ・ソワカ)と申し上げます。
文献によれば、「夜鳴きの飛丸」という名乗りを使っていたことが神名の由来とされています。
そのため、親しくは「飛丸さん」とお呼び申し上げています。
飛丸さんはどこにでもいるカラスと同じ姿をしていますが、人語を自在に操れるそうです。
また、空を飛べるため、妖賊の居場所を探し当てる力に長けているとされます。
戦うときは、鋭い嘴と後足の爪が武器となります。
飛丸さんの真の姿は鳥頭人身であり、鳥身でいるのは、お凜様の命令によるものだそうです。
その理由は、牙吉さんと同じく「可愛いほうがいいから」というだけのようです。
ただし、鳥身でいることにより、戦闘力は相当に制限されているようです。
鳥頭人身になって戦う時は、足技を中心とした跳躍系の格闘を得意とします。
飛丸さんの言葉は、「あっしは~でやんす」「あっしは~するでやんすよ」という話し方とされています。
飛丸さんは疾風号のような乗り物ではないので、巨大化してお凜様を背中に乗せることはできませんし、車輛や船舶や航空機に変化もできません。
ただし、お凜様との同乗であれば、疾風号には乗れます。